彼女には言えない。
「あー…なにやってんだろ、俺」
自分で自分を同情しちまうくらい可哀想だよな、俺。
少し前は、自分のこと"僕"とか言ってたし、めっちゃヘタレだったし。
地味、運動音痴、勉強一本の俺が初めて誰かを好きになってドキドキして。
「俺、頑張ってんのになー」
なんで報われねぇんだろ。
「神様って不公平だよな、本当」
そう言いながら、窓の外を見ると真っ青の雲一つない空が広がっていた。
「アイツらのデートの日に限ってこんな晴れやがって…雨でも降っちまえばいいのに、つか、喧嘩でもしちまえ」
そう言って空を睨み付ける。