彼女には言えない。






でも、薫はいつもみたいに
話そうとはしなかった。




俺も俺に触れてる薫の手に変な緊張してるし。



てか、さっき普通に俺から手引いてたけど、

薫からだとなんか、なんか、あぁぁあぁー!!


って感じ。


それに、実は家に女の人入れるの初めてだし。



何すればいいかわかんねぇ。



本当、俺ヘタレだよな。
あー!まじで俺バカ。



「ぐすっ…秋人」



突然、薫が俺を呼ぶ。




「ん?どした?」



なんて言うけど、
本当はこんな近距離で
薫に上目遣いされて、



ドキドキしてんだよ。





「あのね、今日ね…」



そう言ってやっといつもみたいに話だした。



竜希の話を。




「なんで竜希ってモテるのかな?彼女が隣にいるのに知らない女にナンパされてんのよ!竜希もヘラヘラしてて…」



薫が少し落ち着いて
いつもの調子に戻った。














< 34 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop