彼女には言えない。




こんな喧嘩見捨てれば
良かったのに…


適当に慰めて
薫の悪口なんて言っとけば、


今の状況なら
別れさせることが
出来たかもしれない。


俺にチャンスが
来たかもしれない…


でも…





『距離置こう』




あの言葉が本音じゃないことなんて薫の顔見てれば分かる。







「俺って優しいよなー」




誰も居ない屋上。
響くのは俺のすすり泣きの声だけだった。








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