彼女には言えない。
「SFもいいなぁ…あ、これ面白そう……こっちのは確か竜希が見たいって言ってたな」
優柔不断の俺は
もうかれこれ1時間は
こんなことをしていた。
すると、突然携帯が震える。
携帯を開くと"受信メール1件"の文字。
メールの相手は、
竜希だった。
『薫と仲直り出来た。
いろいろとサンキューな。
今度飯おごってやるから!』
本当なら一緒に
喜んでやるべきだろうけど、
『良かったな。俺、焼きそばパンでいいから』
少し胸が痛くなった。
俺の恋はまた遠くに行ってしまった。
そんな感じがした。