彼女には言えない。






その時。
店内に流れていた曲が変わる。



――〜♪
いつもの並木道と いつもの笑顔達
あの子と君の事は いつからか気付いてた

それからデートやケンカの話を
嬉しそうに話すけど
僕から本当の気持ちを聞いてほしいと

だけど あの日 君に掛けた電話
いつからか 楽しみになって

君が側にいるだけで
なんで?? どうしよもなく胸が痛い

君が僕をどう思うかなんて
聞けるわけないだって君は 友達の恋人――…




歌の歌詞は
そのまま俺の気持ちを歌っているようで……


心の奥にしまっていた物を全てほじくり出されているようで…



涙は静かに頬を伝う。




曲の間奏に入って
もう聞きたくないと思うのに、体が動かない。



ただ、流れる涙さえ、
止められなくて。



間奏が終わらないことを願うけどそんな願いは叶うはずもないんだ。







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