彼女には言えない。
そのせいか?
俺は馬鹿みたいな話題を
馬鹿みたいにふってしまった。
「俺、好きな人いる」
そう言うと
竜希は少し驚いてから、
「急になんだよ。お前から恋話なんて珍しいな」
俺も言った後に
後悔した。
よりによって
コイツにこんな話を…
「あ、いや。やっぱなんでもない…忘れろ、今すぐ忘れろ」
「いや、無理だからそんなの」
苦笑いする竜希と
頭を抱える俺。
「秋はさ。その好きな人に告ったりしないのか?」
「……したい」
かなり本音。
「でも、無理だろ」
そう言うと、
俺のネクタイをぐっと掴み無駄に怖い顔をする竜希がいた。
「勝負するまえからあきらめてんじゃねぇ!それでも男かっ!」
……竜希がこんな熱い奴だったなんて知らなかった。
てか、好きな人の彼氏に説教されてる俺って…何?