彼女には言えない。
だから、内田さんから絡まって来たんだってば、
僕を睨まないでよ…
バタバタしながら学校に着き、スポーツ推薦で入学した竜希くんは二階の教室、僕と内田さんは三階の教室。
そこでも、竜希くんに睨まれる。
「だから、怖いってその目」
そう言いながら竜希くんに手を振って、僕と内田さんは三階に向かった。
「ねぇ、秋人くん」
隣にいた内田さんが
僕の制服を少し引っ張る。
「ちょっとお願いあるんだけど、いいかな?」
くりくりの目で上目遣いはずるいな、こりゃ…
「何、僕が出来ることなら聞くけど」
そう言うと内田さんは
嬉しそうに笑った。