彼女には言えない。





「泣きたい時は泣け、俺はお前が泣いてても馬鹿にしたりなんかしねぇよ」




泣いてる俺に背を向けてそう言った。





「だって、俺ら親友だろ」




竜希は俺が落ち込んでたり
悩んだ時、いつも傍で励ましてくれた。



入学式の日。
竜希に出会ったあの日だって、遅刻しそうで困ってる俺と一緒に学校まで行ってくれた。



竜希は誰よりも大切な
親友なんだ。




「…ありがとな」




どうして、今まで
気付かなかったんだろう。




いつも、竜希は傍で
笑っていたのに。




どうして、そんな大事なことに今更、気付いたんだろう。










< 74 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop