彼女には言えない。




もし、俺が薫に告白したら
俺らの関係は、きっとこのままなんてことはないだろう。




俺はそれでも、
薫に想いを伝えるか?




大切な親友哀しませて、
俺はそれを望んでいるのか?




「竜希」




ふと竜希の名前を呼ぶと
目だけを俺に向けてきた。






「俺、何したいんだろ」




俺の言葉に、竜希は口元を緩ませる。






「そんなこと俺に聞いたって分かるわけねぇだろ」




そりゃあそーだ。
と、納得させられるような返事が返ってきた。



「聞くなら、自分に聞け」




散々、自分に問いかけた。
それでも分からないんだ。



分かるわけないだろ?
親友も、恋も大切なんだから。









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