彼女には言えない。





―――――昼休み。



竜希くんの教室を覗いてみると…


「えーうそ!いいなあ」

「それでそれで!?」

「ちょっとぉ〜興奮しすぎだってばぁ!」




なにやら女の子に囲まれてワイワイやっていた。








「……なるほどな」




こりゃ、内田さんも不安だよな。





『あたしにも優しいんだけどね?他の子にも優しいから』



朝、少し不満げに言っていた内田さんの言葉を思い出した。






内田さんの"お願い"―――


それは――――――





『あたしへの気持ちを確認してきてほしいの』


『え?だって…二人、普通に仲いいじゃん』


確認なんてしなくても
いつも竜希くんは内田さんに優しいし…



しかし、内田さんは



『高校入ってから不安なんだよね…秋人くんは竜希と仲いいし正直な気持ち言うと思うの!だからお願いっ』



そう言って小さな紙を渡す。

そこにはアドレスと
携帯番号が……


『聞いたら連絡ちょうだいっ』






それが、内田さんの"お願い"だった。








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