彼女には言えない。
僕は竜希くんを呼び出し
単刀直入に言った。
「内田さんのこと好き?」
「は?薫のこと?なんだよ、突然……まさかっ!お前薫のことっ」
「違う違う、勘違いしないでよ」
竜希くんは僕を疑いの目でじろじろと上から下までなめまわす。
「だから、怖いって…やめてよ」
「あぁ?じゃあなんでそんなこと聞くんだよ?」
あきらかに機嫌悪くなった…
分かりやすいな、本当。
「ほら、ね?竜希くんて見ての通りイケメンだしさ、モテそうだし、さっきだって女の子に囲まれてたし…」
僕がそう言うと
ちょっと嬉しそうに
片手で髪を掻く。
分かりやすいな…
「そんなことねぇし」
顔が嬉しそう。
なんか、可愛いな。
でもこんなこと言ったら
怒られそう。
本題に戻さないと…
「じゃあ内田さんのこと好きってこと?」