彼女には言えない。
*恋よりバカ友
しばらくして
ふと竜希を見ると、
泣いていた。
「ちくしょー…やっぱ卒業なんてしたくねぇよ」
そう言って
竜希は僕に抱きついてきた。
「竜希に抱きつかれたって嬉しくもなんともねぇんだけど」
そう言いながら
竜希の頭をポンポン叩く。
「ありがとな…僕の友達になってくれて」
そっと囁くように言った僕の言葉に竜希が顔を上げる。
「僕って……あぁ、その方がお前らしい」
竜希の言葉に僕は笑って見せる。
その時、一粒
涙が落ちたことに僕よりも先に竜希が気づいた。