【短編】年下彼氏。
●side・美紗



高校3年の秋。

食欲の秋。
恋する秋。



「…はぁ」

「美紗、また別れたんだ?」
「うん…」

「何人目よ?」


「……11人目…」




好きになって、告って。
告って、付き合って。
付き合って、別れて。


暇なく恋をする毎日。

そう、あたしはいわゆる恋愛体質。




軽い、って言われるかもしれないけど自分ではそう思わない。




だって人を好きになるって素敵なことでしょう?

ましてや付き合えるなんて奇跡とも言える。

そんな奇跡を人よりも多く経験しているだけで…



惚れやすい、ってのはあるかもしれない。

でも毎回うまくいかなくて別れることになる。




原因はわかってる。

好きになると、少しでも良く思われたくて猫をかぶってしまうこと。
本気で好きになる前に、行動してしまうこと。

だからかな?失恋する度に自分自身が嫌になる。



今回もその例のひとつ。




「今日は帰るわ」

「え、早退すんの?」

「先生に心の病って伝えといて」



「了解、元気出しなよー」

「うーい」


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