【短編】年下彼氏。
頭はあまり働いていないまま、電車に乗る。
毎日の通学で体がしっかりと覚えているのか、ぼーっとしていても家までたどり着くことが出来た。
部屋に入ると迷わずベッドにダイブ。
みし、とベッドのきしむ音がした。
「はぁ…」
無駄にゴロゴロと寝返りをうっては、また溜め息。
元彼のコトを惜しむ訳でもなく、泣くわけでもなく、ただただベッドの上を転がっていた。
なんでだろ…涙も出ない。
やっぱり本当に好きなわけじゃなかったのかな。
…あたし最低。
そうこうしているうちにいつのまにか時計の針は6時をさしていた。
「美紗ー、ご飯食べないのー?」
お姉ちゃんがドア越しに問いかける。
「ごめん今日はパス」
「そう?んじゃ食べちゃっていいんだよね?」
「どーぞどーぞ」
そう応えると、お姉ちゃんは喜んでいた。
今日はきっとお姉ちゃんの大好物なんだろーな。
「今日ってエビフライ?」
「何で分かったの?」
「…なんとなく?」
「ふーん…あ、今さら食べようったって遅いんだからね!?」
「はいはい、食べないから」
「そう?んじゃいただいてきまーす♪」
ご機嫌モードのお姉ちゃんは鼻歌まじりで階段を降りていった。