桜、咲く頃会いましょう。


次の日の朝


総司が桜子を迎えに来た



こいつ桜子のこと本気なのか?



「おはようございます、沖田さん」

「おはよう桜子ちゃん。あのさ、前から言おうと思ってたんだけど沖田さんって呼ぶのやめない?」

「え?じゃあなんて呼べば?」

「総司って呼べばいいんじゃない?」



ビリッ…



「あ…」


手に力が入って持っていたたった今書き上げた書類を破いてしまった



「え…でも…」

「いいからいいから」

「じゃあ…そうじ…さん?」



バキッ…



また手に力が入りすぎて、さっき破いてしまった書類を書き直そうと思って持った筆を折ってしまった



この間筆を買い換えたばかりなのに



なにやってんだ俺は…


この場にいるのがいたたまれなくて部屋を出ようとした


ふすまに手をかけたところで総司が俺の方に振り返った


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