桜、咲く頃会いましょう。
無意識のうちに桜子を抱き寄せた
「俺だってお前が好きだから離したくないんだよ」
「なんで顔を見せてくれないんですか?」
そんなの顔見てなんて恥ずかしくて言えるわけないだろ
こうやってお前の耳元で言うのが精一杯だよ
俯く桜子のあごを指で持ち上げる
桜子が目をつぶる
次第に二人の距離も縮まって
唇が触れた
唇が離れて目があった桜子は少し照れた表情で微笑んだ
「最近土方さんは変です…」
「変て…どこら辺がだよ?」
「何だかいろんなことをはっきり言うっていうか…」
「ほら、俺はさいつ死ぬか分からない身だから」
そう言ったら少し桜子の顔が歪んだ
そんな顔させてえんじゃないんだけどな
「だからできるだけ言いたいことは言っときたいんだ。まぁお前より早く死ぬ気なんて無いけどな?」
「私だって…土方さんより早く死ぬ気なんてありませんよ!」
「それじゃあお互い長生きするんだろうな?」