桜、咲く頃会いましょう。


部屋に戻るとさっきよりも酷い状態になっていた



半裸で踊り狂っている原田さんと髪がほどけて乱れた土方さん




一体私が行って帰ってくる間に何があったんだろう…




「土方さんも原田さんも落ち着いてください!」

「あはは…俺は島原に…」



ふらふらとした足取りで原田さんは部屋を出ていってしまった



部屋に残されたのは私と土方さん



「あの土方さん?」

「………」

「土方さん?」



黙っている土方さんが心配になって覗き込んだら…



「きゃっ!!」



行きなり出てきた土方さんの腕に引っ張られてそのまま倒れ込んでしまった



「俺は器の小せえ人間なんだ…」

「え?」

「恋ってもんは恐ろしいもんだな…」

「?」

「永倉に妬いたんだよ。気づけ馬鹿…」



あ…


また胸がきゅうとなった



「やっぱりダメだな俺…信じてるのには変わりねえがどうにもな…」

「分かってますよ?そういう土方さんも大好きですから」


だってそれほど私を想ってくれている証だから


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