桜、咲く頃会いましょう。


世話しなく廊下を歩く



ふと庭を見てみると屯所内に唯一ある椿の木が一輪花をつけていた



「椿…」



たった一輪咲く花はとても目立っていて


同時にその儚い一輪が山南さんの様だった




その日の夕餉の時間



「山南さん?夕餉の時間ですよ?」

「ありがとうございます。もう少ししたらいきますね?」

「はい!待ってます!!」




ふすま越しで山南さんの顔は見えなかったけど少しだけいつもの山南さんに戻ってくれたと信じたい



「さくらなんかいいことあったのか?」

「うん!」

「そっかよかったな。お前は笑ってる方がかわいいよ」

「か!かわ…」

「はははっ!じゃーな」



平助くんにからかわれた…



「平助あいつしめる…」

「うわぁ…ひ、土方さん……」


私のすぐ後ろには青筋を立てた土方さん



平助くんの悲鳴が響き渡ったのは言うまでもない


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