桜、咲く頃会いましょう。
そんな忙しい日々が半月ほど続いた。
忙しい店番にもそろそろ体が慣れて来たところ…
父様と母様から一通の文が届いた
『私たちは今、あるところに囚われている。大人しくしていれば、危害は与えないということだ。もう暫く、帰れないが心配しないでくれ。月に一度は文を送るよ。店番よろしく頼む。父・母より』
頭が真っ白になった
どうして父様と母様が囚われなければならないの?
震えて崩れそうになる足を必死で支えながら、虎太郎を呼んだ
「………。俺、父さんと母さんを取り戻しに京へ行く。」
「え?待ってよ、お店どうするの?私一人じゃお店切り盛り出来ないよ。」
「……。そう、だよな。」
「と、とりあえずすぐにどうこうされるってわけじゃ無いんだから、もうちょっと様子を見てみよう?」
「そうだな。」
「うん、それに月に一度は文をくれるって言ってるし。」
そうは言ったものの私の心に残った不安は消えなかった。