桜、咲く頃会いましょう。
山南さんたちは部屋に戻ると言って帰っていった
帰り際に山南さんが呟いた
『好きな人すら守れないんですね』
その言葉が冷たく重く心に響いた
その後何事もなかったように部屋に戻った
伊東に何かあったのかと聞かれたが軽く流して
それから一刻後、原田が酔いつぶれてその場はお開きとなった
まだ残ると言った伊東と斎藤を残して俺と総司と原田、永倉は屯所への道を歩いた
「山南さん大丈夫ですかね?」
「それはわかんねぇな。山南さんが屯所に戻ってたら話聞いてみるよ」
「心配性ですね、土方さんは」
「うるせぇ、黙ってろ総司」
屯所についてすぐ山南さんの部屋に向かった
明かりはまだ点いているから起きているはずだ
「山南さん…」
「土方くん…ですか…。どうぞ」
「あぁ」
山南さんの声が何だかいつもより力強く聞こえた