桜、咲く頃会いましょう。
どのくらいこの場にいたんだろう…
名前を呼ばれて顔をあげると、目の前には夕日が広がっていた
「桜子?大丈夫か?」
「あ…土方さん…」
声の主は土方さん
どうやら私の事を何度も呼んでいたみたい
「具合悪いのか?」
「いえ…平助くんが…」
「あぁ…お前も聞いたんだな?」
「はい…」
言葉がでなくなってしまった私の横に土方さんが静かに腰を下ろした
そのまま私の手を取ってきつくきつく握った
私を励まそうとしてくれているのか
それともこの力強く私の手を握る手が土方さん自身の気持ちを表しているのか
私にはその意味がわからなかったけれど、繋いだ手と手で私たちは繋がっているような気がした
「ほら、寒いからもう行くぞ?」
「はい」
この手を離したくないと心から思った