桜、咲く頃会いましょう。
【土方】


一口酒を飲んだだけであっという間に眠りについてしまった桜子


今は俺の肩に寄りかかってスヤスヤと寝息をたてている



酒の飲めない桜子に無理矢理酒を飲ませて、俺は何がしたいんだ…



俺にもたれ掛かって寝ている桜子を畳の上に寝かせてもう一杯酒を煽った




「おい、土方さん、あんたも飲みすぎだ」


いつのまに戻ってきたのか横から永倉が徳利を取り上げた



「サクラだって寝ちまってるし…」

「……」

「あんたと左之は似てるな。酒じゃあいつの事は忘れられねえぜ?」

「うるせえ…」

「はいはいっと。サクラは運んでやるから、土方さんも戻るぞ」



有無を言わせない様子で桜子を横抱きにして部屋を出ていく



もうこの広間に残っている奴もまばらだ


しまいにはここで雑魚寝する奴もいる始末だ



俺もふらつく足を奮い立たせて広間をでた


< 326 / 336 >

この作品をシェア

pagetop