桜、咲く頃会いましょう。
しばらくして桜子が落ち着いた頃外からぽつぽつと雨の降る音が聞こえてきた
その雨が何故だかとても嫌なものに思えて早くやめと願わずにはいられなかった
「ほら、今日はもう寝ろ。俺も寝るから」
「はい」
そして桜子から寝息が聞こえてきた頃俺も目を閉じて眠りについた
目が覚めると隣には桜子はもういなくて少しだけ寂しいなと思った
「土方さん!おはようございます」
ガタッと音をあけて開いた襖から桜子が顔を出した
「もうご飯できてますよ!早く来てください」
声に元気が戻った気がして自然と顔が緩んだ
俺が聞きたいのはお前のその声だ
「土方さん?行きますよ」
「あぁ」
「?」
「俺の着替えを見ていたいっていうならそこにいれば?」
そう言ったら顔を真っ赤にしてふすまを閉めた
冗談だってのに…
着替えを終えて、広間に行くと拗ねたような顔をした桜子がいた
穏やかな朝
またみんなで笑い合える日が来ると信じて疑わなかった