桜、咲く頃会いましょう。
慌ただしかった日々が落ち着き、瞬く間に数ヵ月が過ぎた
そんな穏やかな日を奪い去るような情報が舞い込んできた
「副長」
この声には聞き覚えがある
「斎藤か?」
「はい」
「こんな役割ばかりですまないな」
伊東さんが隊を離れるとき伊東さんを監視するために間者として潜り込ませたのが斎藤だった
「いえ、副長のお役に立てるなら」
「いってくれる」
「今日ここへ来たのは…」
「何か掴んだんだろう?」
「はい」
そういった斎藤の顔色は曇っていてこれから語られることが"よくないこと"なのだと悟った
覚悟
俺は今までだって"覚悟"を決めてきたはずだった
だけどそれはいつも曖昧ですぐに揺らいで…
試されている気がした
俺の意思を、俺の信念を
もう揺らいではいけないのだと
そう思うのに
どうしてと問わずにはいられない
俺を、俺たちを引き離そうとするのだろう