桜、咲く頃会いましょう。
「伊東さんが局長の暗殺を企んでいるようです」
「伊東さんが…」
「その構成員として俺は勿論平助も」
平助…
斬りあいになったら俺は平助を斬らなければいけないのか?
それが俺にできるのか?
「あまり長居をしていたら何か感ずかれるかもしれないので」
「あぁ、そうだな。わざわざすまなかった」
軽く頭を下げて斎藤は部屋を出ていった
とにかく近藤さんの耳にいれなくては何も始まらない
そう思うのに俺の足はまるで鉛のように重く、なかなかその場を動くことができなかった
しばらくしてその話を近藤さんに伝えると、すぐに広間に幹部を集めて話し合おうということになった
桜子は…
今この場には呼べない
あいつはきっと悲しむから
「近藤さん、話ってのは?」
「あぁ今から歳が話してくれる」
そこからはただただ斎藤から聞いた話をそのまま伝えた
「伊藤のやつ…やっぱりそういう魂胆だったか」
少しだけ顔を歪ませて言ったのは永倉だ
その横で原田が震えるのを押さえるように拳を握っていた