桜、咲く頃会いましょう。
それからほどなくして桜子はお盆にたくさんの湯飲みを乗せて戻ってきた
「おまたせしました」
「いや、待ってない。いつもありがとな」
「いえ、好きでやってることですから」
「土方さん、もうサクラちゃんを嫁にしたらいいんじゃねぇか?」
そんなことを原田が突然言うもんだから、桜子の顔がまるで火が出るような勢いで赤くなった
そんな桜子を総司と永倉がからかう
桜子を嫁にできたらどれ程幸せか考えたことはあるが、今はその時じゃねえ
大切な人を自分の手で幸せにしたい
たったそれだけのことなのに
それすらままならない自分の立場が今は憎い
自分で望んでこうなったはずなのにな
「土方さん?どうかしましたか?」
「ん?あ、いや、何でもねえ」
今はそんなこと考えてる場合じゃねえだろ
先ずは伊東さんの件だ