桜、咲く頃会いましょう。

それからしばらく沈黙が続き、先に口を開いたのは桜子だった


「ごめんなさい」


桜子の口から出たのは謝罪の言葉だった


だけど謝られる意味がわからない

こいつは謝らなきゃいけないことなんて何一つやってないはずだ


「わかっているんです。土方さんは私を守ろうとしてくれているんだって。だけど私も知りたい…それがどんなに私にとって辛いことでも」

「桜子…」


やっぱり何か感じていたのか


「私たちはいつも相手のことばかり考えて空回りして、そんなことばかりだと思うんです。だけどそうではなくて、私はあなたと一緒に歩いていきたい。」


ポツリポツリと呟くような声で

でもそれは決して弱々しいものではなく芯の通った強い声だった


桜子は潤んだ目で俺から目をそらさない


確かに俺たちは気持ちばかりが先行していたかもしれないな


「だからお願いします。私に隠し事はしないで」


そう言ってうつむいてしまった桜子を無言で抱き締めた


「悪かった、もうお前に隠し事なんてしない。これを知ったらお前は傷つくかも知れねえ。けどなもしそうだったとしてもお前には俺がいる。だから、強がるな」


大きく桜子が頷いたのを合図に俺は口を開いた


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