桜、咲く頃会いましょう。


それから桜子はかなりの時間泣いた



「桜子、そろそろ夕餉の時間だ。泣き止め。」



くるっと顔をあげた桜子の目は泣きすぎて腫れてたけど、吹っ切れたような顔をしていた




「もう大丈夫です。早く行かないと、皆さんに怒られてしまいます。行きましょ、土方さん。」



広間に着くと、原田と永倉の姿が見えない…

「おい、平助!原田と永倉は?」

「左之さん達なら、島原行くって出てったぜ。」

「あいつら…。」


俺が昼間あれほど言って聞かせたのに



帰ってきたら、説教だな



「あの、島原って何ですか?」


世の中には知らなくていいこともあるが…


「しいていうなら、江戸で言う吉原だ。」

「よ、しわ…ら。」


みるみるうちに桜子の顔が赤くなった


吉原は知ってたのか


そのあと、夜中に帰ってきた原田と永倉


俺に大目玉をくらったのは言うまでもない


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