桜、咲く頃会いましょう。


その夜

私は旅立つ準備をした
家が刀屋なのでそれなりには刀を扱える

護身術程度だけど。

自分の身は自分で守らなきゃ
でも、女が刀を持って歩くなんて不審がられるに決まってる


どうするべきだろう…


暫く思案して私は凄く良い方法を思いついた


「虎太郎、あんたが着れなくなった袴私にくれない?」

「いいけど、何に使うの?」

「秘密。ありがとね。」


次の日

虎太郎に貰った袴をはいて長い髪を高く結い上げて…

ちゃんと、男の子に見えるかな?

「ね、姉さん?!どうしたの、その格好?」

「どう?似合う?」

「似合うとか似合わないとかそういう問題じゃないだろ!」


このままだと喧嘩になりかねないので…


「ごめん、もう行くね。心配かけると思うけどよろしくね。」


虎太郎は何かをいいたげだったけど…


「気をつけてな。」


その一言を背中に聞き家を後にした。


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