桜、咲く頃会いましょう。
第一夜 満月の晩
【桜子】


家をたって一ヶ月余り

頼るあてもなくて少ないお金をやりくりしてたわけだけど…
そのお金も、そろそろ底を尽きようとしている


これ以上はお金を使えない今日は野宿だ……

そんなことを思いながら眠りにつこうとした矢先


「ねぇ、君こんなところで何してるの?」

「へ?」

突然なことに変な声が出てしまった


「だから、此処で何してんの?」

野宿なんて言ったら絶対変に思われる
でも、特に他に理由なんてないし…

「あ、ちょっと野宿をしようと思いまして。」

本当のことをそのまま口にした


「野宿ですって。不憫ですねぇ、ねぇ土方さん?」

「ごちゃごちゃ言ってんじゃねぇよ。怪しいじゃねぇか。長州の間者かもしれねぇから、屯所に連れて帰るぞ。」

「分かりましたよ、土方さん。相変わらず、人使いが荒いですね。」

「うるせぇ。」


この人達は一体何について喋ってるんだろう?


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