桜、咲く頃会いましょう。


食事が終わると、みんな自分の仕事に戻っていった



俺も書類を書き上げなきゃな


「あの、土方さん?」

「お?なんだ?」



いつも控えめな桜子が更に縮こまって声をかけてきた



「私はこれからどうすればいいんですか?」



そういえば桜子にここに住む許可がおりたこと言ってなかったな



「近藤さんが此処に住めばいいって言ってたぞ。」

「…本当、ですか?」

「あぁ。」

「でも…」


ここまで言っているのに桜子は納得しないらしい



「でもとか言ってる場合じゃねえだろ。他に帰るとこなんてないだろ?」


実家にかえったって、どうすることもできない



「それにお前にしかできないことだってあるだろ?」

「え?」

「総司のめしは不味くて食えねえ。原田が洗濯すると馬鹿力で着物がのびる。」

「?」

「飯の支度に、洗濯。お前にしかできないことあるんじゃねえのか?」


暫く考えた桜子の顔が急に明るくなった


< 60 / 336 >

この作品をシェア

pagetop