桜、咲く頃会いましょう。


廊下の角を曲がると、ようやく桜子の姿が見えた


桶に水を張ってこぼさないように、ゆっくり歩いてる



「桜子!」

「はい!!」


びちゃっ


「「あっ…」」


振り向いた拍子に桶に並々張ってあった水がこぼれた



「たくっ。」

「すいません…」


なんで俺が一緒に廊下を拭いてやらなきゃならないんだ


「そう言えば私に何か用があったんですか?」


あぁ、そういえばそうだったな


「お前もう男装しなくていいぞ。」

「え?」


両親を探し出すのに男装してたから、もうその必要はないだろう


「でも、私自分の着物持ってませんよ?」

「………。」

「それなら買いにいけばいいじゃないですか!」

「総司…。頼むから気配を消して出てこないでくれ。」


こいつが敵だったらと思うと怖いな…


「着物が無いなら買えばいいんですよ!!」

「え、えぇぇ!!」


そう言い残して、桜子の手をとり屯所を出ていってしまった


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