桜、咲く頃会いましょう。
第五夜 今日を吹く風
【桜子】


土方さんの事が好きだと気づいた日から土方さんを見るとうまく喋れない



「あの、昨日は本当にすいませんでした!」

「あのなぁ。もうその事はいいって言ってんだろ…」

「でも…」



いくら寝起きで土方さんの顔が近かったからって蹴ることはなかったと思う


なんかよくわかんなかったけど、原田さんとか沖田さんが土方さんからかってたし…



きっと土方さんに多大な迷惑を…



「すいません!!」

「顔あげろよ。」



土方さんの手が私の顔を持ち上げる



ひ、土方さんの手が私のほっぺたに…


「ん?お前顔が赤いが熱でもあんのか?」

「い、いえ!大丈夫ですから!」


ドンッ!!


え?ドンッ?


つい出た両手が土方さんの体を押して体勢を崩した土方さんが倒れそうになっている



「あ、危ない!!」

「バカ…」


土方さんを支えようと手を伸ばしたけれど…


自分より重い土方さんを支えられるはずもなくて


ドサ…

土方さんと一緒に廊下に倒れた


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