甘い吐息 ~センセイと生徒~
レッスン1.
そんなあたしの事情
「センセー」
「なぁに」
「俺、保健の授業したーい。実技で!!!」
目の前の年下の少年の言動に、私は飲んでいた麦茶を噴き出しそうになった。
「センセー平気?」
「平気ッ、ゴホッ、じゃないッ」
「何?中学生にからかわれて動揺する高校生がどこにいるわけ?」
「うるさいッ!」
私、
御坂 葎【ミサカ リツ】は、
名門女子高、檪原学院の2年生。
ひょんなことから、目の前の少年、
新條 藍【シンジョウ ラン】
中学3年生の受験勉強の面倒を見ることになった。
その、つまり、家庭教師というやつである。