【短編】ダメ男依存症候群
旬はこれを聞いて、どう思ったのだろう。流石に、少しは、奈津美に対して怒りを感じただろうか。ずっと、旬のことを、信じてなかったと言ったようなものなのだから……
でも旬は、奈津美の滅裂な言葉を黙って聞いていた。話している間は、ずっと奈津美の背中を優しく撫でてくれていた。
「ナツ……」
奈津美の背中を撫でていた旬の手の、もう片方が、奈津美の頭に触れた。
今度は奈津美の髪を撫でながら、旬が口を開いた。
「前にも言ったかもだけど、俺は…ナツだから、好きなんだよ。もし他に、ナツみたいにおっぱいでかい人がいても、家事全般ができるような人がいても、それがナツじゃないなら、絶対好きになんかならないよ」
耳元で、旬の優しい声が聞こえる。
それをもっとよく聞きたくて、奈津美は旬に頬を寄せた。
「ナツ……大好きだよ。俺はナツの全部が好き。ぎゅってすると柔らかくていい匂いがして、しっかり者で優しくて、たまに怒ったり、照れたり、笑ったり……今初めて見たけど、泣いてるとこも。ナツの全部は、俺の中の一部なんだ。……だから、俺はナツがいないとダメなんだ」
旬は、ありのままの奈津美を受け入れて、好きだと言ってくれている。
今思えば、旬の前では、素の自分をさらけ出すことができていた。
そのことに、やっと気付いた。
「旬……あたしも」
奈津美は旬を抱き締める力を更に込めた。
「あたしも……旬のこと、大好きだよ……大好きだからね…!」
口にしてみて、とても新鮮で、変に照れくさくて、こうやってはっきりと伝えようとして旬に好きだと言ったのは初めてだと、改めて思い知った。
『――これじゃあ、あたしばっかりが旬のこと好きなだけみたい……』
そんなことをなかったのに……
こんなのだったら、旬の方が不安に思って当たり前なのに。
でも旬は、奈津美の滅裂な言葉を黙って聞いていた。話している間は、ずっと奈津美の背中を優しく撫でてくれていた。
「ナツ……」
奈津美の背中を撫でていた旬の手の、もう片方が、奈津美の頭に触れた。
今度は奈津美の髪を撫でながら、旬が口を開いた。
「前にも言ったかもだけど、俺は…ナツだから、好きなんだよ。もし他に、ナツみたいにおっぱいでかい人がいても、家事全般ができるような人がいても、それがナツじゃないなら、絶対好きになんかならないよ」
耳元で、旬の優しい声が聞こえる。
それをもっとよく聞きたくて、奈津美は旬に頬を寄せた。
「ナツ……大好きだよ。俺はナツの全部が好き。ぎゅってすると柔らかくていい匂いがして、しっかり者で優しくて、たまに怒ったり、照れたり、笑ったり……今初めて見たけど、泣いてるとこも。ナツの全部は、俺の中の一部なんだ。……だから、俺はナツがいないとダメなんだ」
旬は、ありのままの奈津美を受け入れて、好きだと言ってくれている。
今思えば、旬の前では、素の自分をさらけ出すことができていた。
そのことに、やっと気付いた。
「旬……あたしも」
奈津美は旬を抱き締める力を更に込めた。
「あたしも……旬のこと、大好きだよ……大好きだからね…!」
口にしてみて、とても新鮮で、変に照れくさくて、こうやってはっきりと伝えようとして旬に好きだと言ったのは初めてだと、改めて思い知った。
『――これじゃあ、あたしばっかりが旬のこと好きなだけみたい……』
そんなことをなかったのに……
こんなのだったら、旬の方が不安に思って当たり前なのに。