【短編】ダメ男依存症候群
「もう…たまにしんどくなる……年中発情期だし、頭の中にそれしかないんじゃないかってぐらい……」
「そりゃそうでしょ。まだ十代なんでしょ? 体も心も性欲で一杯に決まってるじゃない」
こともなげにカオルは言う。
「でもいいじゃない? ご無沙汰よりはそれぐらいで。セックスレスって結構深刻な問題よ?」
明らかに昼から社員食堂で話すような内容ではない。カオルはこういうところはサバサバしている。
「それは…確かに、まあ……」
男女間のそれについて、どれほどの影響があるか、奈津美も十分知っている。
奈津美が旬の前に付き合っていた男とは、それが原因で別れたようなものだ。
そして、それがきっかけで、旬と出会い、付き合い始めたのだから……
「ていうか、アンタらの付き合ったきっかけが原因じゃないの? 名前も知らないうちにホテル連れ込んでヤッちゃったんでしょ? しかも知らなかったとはいえ、未成年を」
「ちょっと! 人聞き悪いこと言わないでよ! 誘ったのは向こうなんだからね!」
際どい言い回しをするカオルに、奈津美は身を乗り出すようにして言い返した。
「でも付いていったんでしょ?」
「それはっ…そうだけど……」
事実を言われ、奈津美の声は小さくなる。
「あ〜…もう。あたしって何で旬と付き合ってるんだろ……」
そう言って奈津美はうなだれた。
「何、いきなり……」
「だって、よく考えたら旬って私の理想とは違うもん」
「奈津美の理想? どんな?」
「年上で、落ち着いてて、誠実で、甘えられる人」
旬は、年下で、落ち着きがなくて、だらしなくて、いつも甘えてくる。全くの逆だ。
「でも甘えてくるのって可愛くない?」
そう言われて考えてみると、浮かんできたのは『ナツ〜』と言って飛び付いてくる旬だった。
「…可愛いって言えば可愛いかもだけど……どちらかと言えば、犬?」
それも奈津美が想像しているのは、発情期の、だ。ぴったりかもしれない。
「犬だったら十分可愛いじゃない」
「犬っていっても雑種ね。血統書らしきところは何もないから」
「そりゃそうでしょ。まだ十代なんでしょ? 体も心も性欲で一杯に決まってるじゃない」
こともなげにカオルは言う。
「でもいいじゃない? ご無沙汰よりはそれぐらいで。セックスレスって結構深刻な問題よ?」
明らかに昼から社員食堂で話すような内容ではない。カオルはこういうところはサバサバしている。
「それは…確かに、まあ……」
男女間のそれについて、どれほどの影響があるか、奈津美も十分知っている。
奈津美が旬の前に付き合っていた男とは、それが原因で別れたようなものだ。
そして、それがきっかけで、旬と出会い、付き合い始めたのだから……
「ていうか、アンタらの付き合ったきっかけが原因じゃないの? 名前も知らないうちにホテル連れ込んでヤッちゃったんでしょ? しかも知らなかったとはいえ、未成年を」
「ちょっと! 人聞き悪いこと言わないでよ! 誘ったのは向こうなんだからね!」
際どい言い回しをするカオルに、奈津美は身を乗り出すようにして言い返した。
「でも付いていったんでしょ?」
「それはっ…そうだけど……」
事実を言われ、奈津美の声は小さくなる。
「あ〜…もう。あたしって何で旬と付き合ってるんだろ……」
そう言って奈津美はうなだれた。
「何、いきなり……」
「だって、よく考えたら旬って私の理想とは違うもん」
「奈津美の理想? どんな?」
「年上で、落ち着いてて、誠実で、甘えられる人」
旬は、年下で、落ち着きがなくて、だらしなくて、いつも甘えてくる。全くの逆だ。
「でも甘えてくるのって可愛くない?」
そう言われて考えてみると、浮かんできたのは『ナツ〜』と言って飛び付いてくる旬だった。
「…可愛いって言えば可愛いかもだけど……どちらかと言えば、犬?」
それも奈津美が想像しているのは、発情期の、だ。ぴったりかもしれない。
「犬だったら十分可愛いじゃない」
「犬っていっても雑種ね。血統書らしきところは何もないから」