SS
あるひ ぼくは ぼくのかぞくがほんものかどうかしりたくなってねむれなくなりました。


それを しるためには 『ち』をみればいいのだとおもいました。


ほんとうのかぞくなら『ち』がつながっているんでしょう?


きっと ぼくとおなじ いろで
おなじ においの 『ち』がながれているのだと おもいました。


さいしょに おねえちゃんを さしました。おねえちゃんのは ぼくのより ずっとあかくて てつのような においがしました。
だから おねえちゃんは かぞくじゃないとわかりました。


つぎに ゆうくんを さしました。
ゆうくんのは ぼくとおなじいろでした。
でも ぼくと ちがって あまりにおいはありませんでした。
だから ゆうくんも ちがうとわかりました。


つぎに パパをさしました。
パパのは なんだかすごく くろくて
においも すごく へんでした。
だから ほんとうの パパじゃなかったんだと すこし かなしくなりました。


さいごに ママを さしました。
ママの『ち』は
においも いろも ぼくとおなじでした!
ママは ほんとうに ぼくの ママだとわかって
ぼくは やっと あんしんして
ねむることができました。
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