君に恋を、チョコに愛を。
『ユウくん、チョコあげるっ』
はい、と渡すと祐輔は満面の笑みを浮かべて受けとってくれた。
『ありがとうっ!』
笑ってくれる祐輔の笑顔を見るのが、私の幸せだった。
だから毎年楽しみにしてたバレンタイン。
パパに渡すのも、祐輔に渡すのも。
喜んでくれることを知っていたから。
でも………。いつからだったかな。
祐輔にチョコを渡せなくなったのは。
気づいたら、毎年持っていた2つのチョコは、パパの分だけになってたよね。
バレンタインは、"好き"の気持ちじゃなくても"感謝"とかいろんな気持ちを伝えられるはずなのに。
渡すことで、意味があるはずなのに。
私は、祐輔にあげることを止めたよね。