君に恋を、チョコに愛を。


『ユウくん、チョコあげるっ』


はい、と渡すと祐輔は満面の笑みを浮かべて受けとってくれた。


『ありがとうっ!』



笑ってくれる祐輔の笑顔を見るのが、私の幸せだった。



だから毎年楽しみにしてたバレンタイン。

パパに渡すのも、祐輔に渡すのも。


喜んでくれることを知っていたから。




でも………。いつからだったかな。



祐輔にチョコを渡せなくなったのは。




気づいたら、毎年持っていた2つのチョコは、パパの分だけになってたよね。



バレンタインは、"好き"の気持ちじゃなくても"感謝"とかいろんな気持ちを伝えられるはずなのに。


渡すことで、意味があるはずなのに。




私は、祐輔にあげることを止めたよね。
< 2 / 39 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop