ピュア☆ラブ

ミニコンサートが終わり、

病室へ戻ろうとした時、
救急の出入り口の辺りが
やけに騒がしかった


「なんだろうな…」


香澄と俺は顔を合わせ、
特に気にも留めず、
エレベーターへと向かおうとしてた時だった


「…ら、どうもナイっすってば…
俺、帰りますからっ…」


看護師さんと、一人の若い男が
なにか、言い合いながら、
こちらの方へ向かってきた


「杉本さん、
ちゃんと、治療しないと、
傷口からバイ菌入りますから、戻ってっ!」


看護師さんが
発した、香澄と同じ名字が気になり、
その男の顔を見た


と、同時に、
そいつも、こちらを…
いや、
車いすの香澄に
視線を送っていた…


< 60 / 80 >

この作品をシェア

pagetop