ピュア☆ラブ
無菌室へ入るための服を着て、
マスクをし、
香澄の横たわるベッドの脇の椅子に
腰掛ける…
細い腕には
点滴が施され、
顔には、酸素マスク…
指までも細くなった手を
ギュッツと握りしめる…
「香澄…」
呼びかけに応える様子もなく、
香澄のベッド回りを取り巻く
機械の音だけが鳴り響く…
「香澄…
俺…香澄に会えて…
ホントに、良かったよ…
俺を変えてくれたのは、
香澄だよ…
香澄を好きになって、
愛して、本当に良かったよ
もっともっと
香澄を愛したい…
だから…
香澄…
俺と結婚しよう…
2人で…
幸せになろうな…」
ポケットから
小さな箱を取り出し、
蓋を開け、
香澄の細くなった薬指に嵌めた