ピュア☆ラブ
なんだ…
どう…なった…んだ…
一言も発しないアニキの後ろ姿を見ながら、
不安を抱える
準備をして、
無菌室へ入れば…
ベッドのリクライニングで
上半身を起こされた香澄がこちらを向いていた
「…香…澄…、香澄っ!」
香澄の傍に寄って、声をかけた
「隼人…」
一言だけ言葉を発し、微笑む香澄
「全ての数値が正常だから
大丈夫だ
良かったな、隼人…」
アニキが俺の肩をポンと叩き、
そして、
俺と香澄を2人きりにしてくれた
俺は、香澄の髪、頬、唇、
確かめるように
ゆっくりと撫でた
そして、
「よく…頑張ったな…
ありがとう…香澄…」
コクリと頷く香澄
俺は、
香澄の手を俺の掌ですっぽりと包んだ