彼女は今日も失恋する
「……もう、朝?」
百花の声に、側にあった時計を確認したものの、
「5時ちょっとすぎ。」
起きる時間には、まだまだ早かった。
……って言うか、まだいくらも眠ってないじゃん。
「じゃあ、寝る。」
もぞもぞと再び布団にもぐり込んで、俺の胸に顔を寄せてしっかり抱きついてくる百花。
その身体を受け止めながら、俺も寝ようと瞼を閉じた…とき。
「……ねぇ、ちーちゃん?」
百花が小さく呟いた。
「んー?」
「今日はもう“彼女”のとこには行かないよね?」
目は閉じたままだけど、百花が俺の顔を覗き込んでいるのがわかる。
「“パーティー”には行かないよね?一緒にいてくれるんだよね?」
……パーティー?あぁ。
行けるわけ…ないよな。
百花とこんなことをした後に、他の女の子になんか会えるわけがない。
会っても、意味はない。
「“彼女”とは別れる…んだよね?」