彼女は今日も失恋する
千歳の父親と私の母親が再婚したのは、私が小学校に上がるくらい…だったと思う。
そして、私が中学生になる頃には離婚していた。
……まあ、最初からわかってたけどね。
2人とも“結婚”には向かない人間、だったから。
縛られるのが嫌いって言うか、自分の気持ちに正直すぎるって言うか…自由すぎた。
どうして再婚しようと思ったのか、がそもそもの疑問。
一回目で懲りなかったのかなぁ?
子供ながらに、よく思ったっけ。
今じゃ、揃いも揃って、年下のパートナーと同棲中ときたもんだ。
2人のことは嫌いじゃなかったけど……
私は、2人のようにはなりたくないと思ってた。
たくさんの恋をすることは悪いことじゃないけど、
私は、1人だけでいい。
私のことだけを見てくれる人と、死ぬまでずっと一緒にいたい。
あちこちフラフラして、結局最後はひとりぼっちなんて、絶対にイヤ。
恋を失う度に泣き叫ぶママみたいにはなりたくない。
だから……
“好き”だと気づいたときから、
手放すつもりはなかった。