溺愛ダーリン&愛しのハニー
俺は母の手紙を読み返す。


英語で美しい優しいスペルで書かれていた。


 親愛なる息子へ


 私の行ったことは大罪です。母の庇護なしでは生きていくことが出来なかった
あなたを捨てたこと深く、後悔しております。



 異国の地であなたを一人で産むことを決意して、産みました。


 母国の父がテロに遭い、その訃報を知ったのが…あなたを産んで10日目でした。



 私は父に会うために、母国に行くことを決意。




 生後まもないあなたを連れて行けず…預かってもらえる知り合いも居ませんでした。



 やも得ず、路頭に迷っていた私は通りすがりの孤児院の隣接されている教会の
前に置いていきました。


 当初は…すぐに日本へ戻ってあなたを引き取るつもりでした。



 しかし、父はグーデンベルグ公国と言う国に亡命。


 何の縁か私は…皇太子に見初めれ、結婚。


 あなたのことを片時も忘れたことはありません。



 極秘で椎名さんに連絡を取り、あなたのことを話しました。


 本当に不甲斐ない母を許してください。


 あなたが了承して下されば、私はあなたに会いに行きます。



    エリサ・デンベル


 


< 269 / 292 >

この作品をシェア

pagetop