溺愛ダーリン&愛しのハニー
記憶のカケラ
 私は学園長室を飛び出した。


 「何処に行かれるのですか?」

 
 東校舎と本校舎を結ぶ渡り廊下で濠さんと出くわす。


 「……教室に帰ろうかと…」


 「……上手くいってないみたいですね…」


 濠さんはすれ違い様に耳元で囁く。


 「…まあ~当然と言えば当然ですが…」


 「名前も顔も知らない…男と強引に結婚させられて…上手くいくはずないでしょ?」


 私は当然のように返す。


 「ですね…でも…珪さまはあなたに会ったことあると言っておりました」






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