溺愛ダーリン&愛しのハニー
ダーリンは椅子の背凭れに体を委ねて無防備に熟睡していた。


長い黒髪の前髪が閉じられた瞳を隠す。


私の叩いた頬が少し赤い気がした。


あの時はつい……。後で謝ろう…。




ダーリンも私の記憶のカケラを持った人。





私はデスク越しに見つめる…。



ダーリンは私を探していたと言っていた…。



私も探していた…私の失った記憶を持った人を…。


武士や冬子のように…私を知る人を…。





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