【短編】Christmas Present
あと三週間で、クリスマス
私のクラスは、もうクリスマス一色だ。
まだまだ、先なのに。
と思っているのはどうやら私だけらしい。
というのも、三週間前にはみんな予定を入れて、完璧に25日を死守するからだ。
そのためにバイトを調整して、間違っても赤点をとって補習組にならないように勉強して。
ただ、彼氏のいない私には関係ない。
クラスで彼氏がいないのは少数で、私は見事にその中の一員だ。
そして、彼氏いない組も彼氏探しに躍起になっている。
勝者はついこの間、隣のクラスのイケメンを見事ゲットした。
彼女の「クリスマスまでに彼を落とす!」宣言は達成されたと言っていいだろう。
彼氏作んなよ、と女友達に言われるけど、出来ないものは仕方ない。
私は決して地味ではないが、男子とは話さない。
女、というだけで寄ってきた奴はいたが、私のキョドりように去って行った。
「もう、チャンス潰して!」と言われても。
免疫ないんだからしかたなだろう。
それに、好きな人はちゃんといるんだから。
……ただ、実ってない恋なだけ。
たいして好きでもないのに顔だけで取り敢えず、っていう恋より、私は片思いを選ぶ。
そして、その恋はいつまでたっても実る様子を見せず、ただ片思い期間の記録が更新されていくだけだ。
哀れにも。
その彼は陸上部のエースで。
遠い存在だ。
話す機会なんて、微塵もない。
…もし、私の親が、彼の親と知り合いでなければ。
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