【短編】Christmas Present
とんだサンタの贈り物
私はぐったりとしながら、街を歩いていた。
もう拓都に会わないまま4日が経過した。
あの日から、一度も病院に行っていない。
きっと、公子さんが私にかわっていろいろと世話を焼いているだろう。
久々の親子水入らずを楽しむがいい。
拓都からメールの一つでもあれば行ってやろうと思っていたのだが、予想通りなにもない。
ただ、お母さんが「なんだか、拓都君グレてるらしいのよねぇ。」というぼやきを聞いた。
容易に状態の予想がつく。
公子さんも気の毒だ。
今日は年に一度のクリスマス。
(まぁ、年にそう何回もあってもたまらないが)
楽しくやってるといいけど。
私は私で、さっきまで友達と喫茶店でお茶してた。
さすがはクリスマス。
4時も近くなると、カップルが増えてきたので退散した。
…そして、なぜか病院に向かっている。
言わずともわかると思うが、勿論拓都の病院だ。
あいつ、何してんだろ。