【短編】Christmas Present
「酷いね、疑ってたんだ。
せっかく鈍感じゃなかったって見直したのに。」


「失礼な…ってかだって、お前他の男知らないじゃん。
クラスの奴が、お前に話しかけてもキョドられて終わるってぼやいてた。」


「だって、男慣れしてないんだもん。」



っていうか、他の男なんか見たくない。



拓都が曇って見えてしまう。



他の人のことまで考えて、拓都の記憶が薄れてくのが怖かった。



だって、拓都のことは絶対見失わないなんて自信持って言えるほど、近くなかった。



「でも、拓都には腐るほど女いるじゃん。
私が他の男好きになったくらいでなんら痛手ないでしょ、女なんてヨリドリミドリなんだから。」


「あのなぁ!」



うっわ、また怒鳴った。



「何よ。」


「鈍感なのどっちだ。
俺さっき、お前が好きって言ったのに。」


「え、言ってないでしょ!?」



私は急いで思い出してみるけど、そんなオイシイ文句なかった。



「うん、言ってない。」


「お前に去られんのが怖かったって言った。」


「好きなんて言葉入ってないじゃん!」



なによ、言ってないじゃない。



「それが俺が好きって言ってんのと同じ。」


「わかんないわよ、あんたそれでわかれって言うつもり!?」



憤然と頷かれた。



いやいやいや、わかんない、全然わかんない!





< 35 / 41 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop