【短】あのね、好き・・・
転校








「転校生の小西ちあです。よろしくお願いします」




静かな教室に、あたしのやる気の無さそうな声が響く。



中学一年生の秋。
こんな中途半端な時期に転校なんて、正直嫌だった。


転校の理由は、決まって親の転勤。






せっかく仲のいい友達ができて、これから青春したいって思ってたのに・・・・・・

なんで親の転勤につき合わされなきゃいけないんだろう。





それも今は秋。

ちょうどみんなグループができて、夏休みの間で仲良くなってる時期。



こんな急に転校生なんて予想外だろうし、あまり興味なんてないと思う。




それに今だって、あたしの自己紹介を聞いている人なんて数えるくらいしかいない。


実際、する意味あるの?って感じだし。










< 1 / 52 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop